ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は22日、1次リーグA組の試合が横浜国際総合競技場であり、アイルランド(世界2位)が長年のライバルのスコットランド(同8位)をほぼ完璧に抑え込み、27-3で快勝した。
アイルランドは直前まで世界ランキング1位だったが、この日ワールドラグビーが発表した最新ランキングでは、2位だったニュージーランドと入れ替わった。
対戦相手のスコットランドは7位から8位に後退。一方、日本はフィジーと入れ替わり、10位から9位に順位を上げた。
世界ランキングは、チームの実力を正確に反映していないとの批判もある。しかし、この試合に限っては、順位が示す実力差がはっきりと出た。
開始15分で大差
アイルランドは序盤から着実に得点を重ねた。対するスコットランドは、終始おとなしかった。
前半5分、ゴール前でスコットランドのディフェンス陣を相手に、波状攻撃を展開。最後はLOジェイムズ・ライアンが持ち込んでトライを決め、コンバージョンキックもSOジョナサン・セクストンが成功させた。
前半13分には、ゴール前のラインアウトからモールに。アイルランドの強力なフォワード陣がじりじりと前進し、HOローリー・ベストがなだれ込むようにトライを奪った。コンバージョンキックは失敗したが、12-0とアイルランドがリードを広げた。
滑り出しは両チームともキックを多用し、スコットランドがゴール付近まで攻め込む場面もあった。しかし、アイルランドは堅い守備でこれを押し戻し続けた。
遠いトライ
スコットランドが得点を挙げたのは、前半20分だった。
相手の反則によって得たペナルティキックを、SHグレイグ・レイドローがきっちりと決めた。
スコットランドはこれで3点を返したが、これがこの試合で唯一の得点となった。
その後も何度かゴール直前まで攻め上がり、相手ともみ合い、細かいパス回しでトライをうかがったが、そのたびアイルランドに跳ね返された。
スコットランドにとっては、1トライが遠い夜だった。
「ずっとずっと上手だった」
一方のアイルランドは終始、きっちり得点まで持ち込む攻撃力を見せつけた。
序盤の2つのトライに続き、前半24分には、スクラムからPRタイグ・ファーロングが密集の中でトライを決めた。
後半15分にも、ハイパントで転がったボールをアイルランドが奪い、最後はWTBアンドリュー・コンウェイがゴール右隅に飛び込んだ。
これがこの試合4つ目のトライとなり、アイルランドはボーナスポイント1点も挙げた。
この後、ペナルティゴールを1つ成功。アイルランドは24点差をつけて、スコットランドを圧倒した。
BBCスコットランドのトム・イングリッシュ記者は、「アイルランドはあまりに強靭(きょうじん)で、あまりに抜け目なく、あまりにうまかった。ずっとずっとうまかった」とリポートした。
アイルランドは28日、日本と静岡で対戦する。
この試合の最優秀選手:NO8 CJ・スタンダー(アイルランド)
この試合の最優秀選手には、アイルランドのNO8 CJ・スタンダーが選ばれた。