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クロアチア、美しき敗者 初のW杯決勝、恐れず攻めた

クロアチア、美しき敗者 初のW杯決勝、恐れず攻めた

  (15日、フランス4―2クロアチア ワールドカップ決勝) 初めてワールドカップ(W杯)決勝に臨んだクロアチア。一生に1度かもしれない舞台を、ダリッチ監督は「全力を注ぐ。そして、楽しみたい」と話していた。その言葉にうそはなかった。 優勝経験国の相手に比べれば、失うものはない。立ち上がりから果敢に仕掛けた。チームの心臓であるMFのモドリッチとラキティッチを中心にパスをつないで攻め、守備に回れば相手を囲んだ。勝負に徹したフランスとは対照的だ。 不運なオウンゴールとPK。重くのしかかる前半の2失点の間に、1点を返した。前半28分、モドリッチがFKを右外に振り、最後はペリシッチ。準決勝でも同点ゴールをねじ込んだ29歳が左足に持ち直して堅い守備網を破った。躍進の原動力をダリッチ監督が「団結」と話した通り、FKから4人がつないだ末のゴールだ。 後半もリスクを恐れずに攻めた。前掛かりになる分、逆襲から重ねた失点にも納得がいく。 決勝トーナメント1回戦から3戦連続で延長120分をくぐり抜けてきた。点差を背負っても、歩みは止めない。決勝でもその姿勢を貫いた。記憶に残る美しき敗者だった。

ワールドカップ予想、AIとデータを超えた松木 クロアチア躍進を的中?

ワールドカップ予想、AIとデータを超えた松木 クロアチア躍進を的中?

  ワールドカップ決勝、フランスークロアチア戦が7月15日深夜にある。開幕前の予想では、あくまでダークホースに過ぎなかったクロアチア躍進はサプライズが続いた今大会を象徴するものだろう。 AIやデータが予想できなかった躍進を的中させた解説者がいた。「居酒屋解説」でおなじみ、松木安太郎さんだ。 週刊ダイヤモンド2017年12月30日・2018年1月6日新年合併号に掲載された予想によると、松木さんは今大会の優勝国を大胆にもクロアチアと予想した。 ワールドカップ開幕前の予想では、多くの識者のみならず、データ分析でもクロアチアの名前は上がっていなかった。 AIはブラジルを予想 ゴールドマンサックスのAIが叩き出した優勝確率はサッカー王国・ブラジルが18・5%とトップで、フランス、ドイツ、ポルトガルと妥当な予想が続く。 クロアチアの優勝確率はなんと0・6%。日本が0・4%だから、躍進はほぼないと判断されていたことがわかる。 データはドイツ ロイター通信が配信した「サッカーノミクス」に関するコラムによると、優勝はドイツ。コラムは選手の金銭的な価値、国民の応援度、選手層......様々な数字を計算した結果だと強調する。 7月15日にモスクワで行われる決勝戦では、ドイツとブラジルが対戦することになる。ドイツが連覇するなら、50年以上ぶりの快挙だ。けがや天候、審判のジャッジや運といったすべてが結果に影響し得る。だが計算が合うならば、ドイツはW杯連覇を決めるだろう。 ドイツは予選で敗退し、ブラジルは8強止まりだったことをあらためて指摘しておきたい。 ちなみに、この予想ではクロアチアはベスト16に止まる。 松木はクロアチア こうした予想が次々と覆されるなか、クロアチア躍進を的中させたのが松木予想だ。 ダイヤモンド誌によると、松木さんは「今大会の台風の目になりそうなのが、機動性に優れるモドリッチ(レアル・マドリード)が代表的なクロアチア。他にも好選手のそろう実力国だ」と高く評価。波乱が起こる可能性にも言及していた。 モドリッチとバルセロナで活躍するラキティッチがチームの心臓となり、ピッチで展開される魅力溢れる攻撃サッカー、最後まで勝利をあきらめずに走るクロアチアに世界が魅了されている。 フランスの決勝進出は妥当であり、コンディション的にも、選手層をみても有利は揺るぎそうもない。これはクロアチアがチャレンジャーとして臨むことができることを意味する。 波乱含みの今大会はどう終わるのか。最後まで目が離せない展開になりそうだ。

堅守スウェーデン94年大会以来の8強、スイス完封

堅守スウェーデン94年大会以来の8強、スイス完封

  <ワールドカップ(W杯)ロシア大会:スウェーデン1-0スイス>◇決勝トーナメント1回戦◇3日◇サンクトペテルブルク  スター選手不在を組織力で補う堅守速攻が威力を発揮してきたスウェーデンと、1次リーグ3試合で5得点と攻撃陣が好調なスイスがぶつかった。過去の対戦成績はスイスが11勝7分け10敗とわずかにリードし、直近の2試合はスウェーデンが1勝1分けとしている。スウェーデンが94年米国大会(3位)以来、スイスが自国開催だった54年以来の8強入りをかけて両者が激突した。 主力DF2人を出場停止で欠くスイスの不安をあおるように、スウェーデンは序盤にシュートが続いた。前半8分にはベリ、前半9分にはエクダルがエリア内からシュートを放ったが、枠をそれた。前半28分にはクローソンの胸での落としからベリが至近距離から左ボレーを放つが、GKが防いだ。 お手本のような4ー4ー2のゾーン守備に苦戦していたスイスは前半38分、スローインから左サイドでダイレクトでボールをつなぎ、最後はジュマイリ。強烈な一発を放ったが、枠の上に消えていった。前半はともに7本のシュートを放つも1-1で折り返した。 均衡を破ったのはスウェーデンだった。後半21分、左に展開したフォスベリが再び中央でボールをもらうと、正面からミドルシュート。これがDFの足に当たりコースが変わってゴールに飛び込んだ。 スイスは後半28分に、攻撃的な選手を2枚投入し、反撃に出た。後半34分には途中出場したエンボロがCKから頭で合わせたが、枠をとらえたボールはフォスベリにひざでブロックされた。その後も攻勢を仕掛けたが、人数を増やした守備を崩せなかった。 試合は1-0で終了。スウェーデンが94年大会以来の8強進出を決め、コロンビア-イングランドの勝者と準々決勝を戦うことになった。

自民・吉田博美参院幹事長「いずれ日本がW杯を制覇すると確信」「体力差はあったが一致結束した」と善戦たたえる

自民・吉田博美参院幹事長「いずれ日本がW杯を制覇すると確信」「体力差はあったが一致結束した」と善戦たたえる

  自民党の吉田博美参院幹事長は3日午後の記者会見で、サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会の決勝トーナメント1回戦で優勝候補のベルギーに惜敗した日本代表について「持てる力を十二分に発揮された。『個』の体力的な差はあるが、一致結束し、あのような結果になったのではないか」と語り、善戦をたたえた。 吉田氏は、日本代表がW杯出場を逃した「ドーハの悲劇」(1993年)をバネに日本がその後連続6大会に出場を果たし、決勝トーナメントに3度も進んだと強調。「日本人の良さが出ている。今回敗れたことを契機に、いずれ日本がW杯を制覇すると確信している」と述べた。

クロアチア、PK戦でデンマークを下す 8強進出

クロアチア、PK戦でデンマークを下す 8強進出

  サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会は1日、決勝トーナメント1回戦のクロアチア対デンマークがあり、PK戦の末にクロアチアが勝利して準々決勝に進出した。 試合は開始早々に動く。前半1分にデンマークがヨルゲンセンのゴールで先制。しかし、前半4分にクロアチアのマンジュキッチがシュートを決めて1-1の同点に追いつく。 試合は90分では決着がつかずに延長戦へ突入。延長戦後半にはクロアチアがPKの機会を得た。キッカーはクロアチアの主将モドリッチだったが、デンマークのGKシュマイケルがセーブ。 1-1のまま試合は終了し、PK戦に突入した。 PK戦では両チームのGKが活躍。クロアチアのGKスバシッチが3本止める活躍を見せた。一方、デンマークのGKシュマイケルも2本を止めたが及ばなかった。 PK戦を制したクロアチアが8強に進出した。クロアチアはベルギーとウルグアイとともに、1次リーグを3戦全勝で終えた数少ないチームのひとつだった。準々決勝では開催国のロシアと対戦する。

サッカー=ドイツの歴史的W杯敗退、起こるべくして起きた惨劇

サッカー=ドイツの歴史的W杯敗退、起こるべくして起きた惨劇

  [ヴァトゥチンキ(ロシア) 27日 ] - ドイツ代表は、同国のサッカー史上、最も早い日程でのワールドカップ(W杯)敗退を喫したが、今回の敗戦に驚くべきことはまったくない。 4度のW杯優勝を誇るドイツは、ロシアで開催された今回大会に至る1年間でチームをベストの状態にすることができなかった時点で、点灯していた危険信号に気づき、その警告に注意を払うべきだった。 だが、自信過剰と頑迷さ、そして不注意という組み合わせが「毒素」となり、1次リーグF組の3試合でわずか1勝しか挙げられず、ドイツ代表は荷物をまとめて帰国する事態に陥った。 かつて不屈の攻撃サッカーを繰り広げたゴールマシンが、ロシアではまとまりのない寄せ集め集団と成り下がり、団結力を欠いてチームとして機能できなかった。 明らかに、責任のほとんどは、昨年時点ですでに見えていた「兆候」に十分な注意を払わなかったドイツのヨアキム・レーウ監督にある。 2014年W杯の覇者ドイツは、2017年のコンフェデレーションズ・カップ(コンフェデ杯)でも優勝をさらい、昨年10月に開催されたW杯欧州予選では10戦10勝と、完璧な成績で本大会に勝ち進んだ。 レーウ監督は当時、30人以上から選択できる選手層の厚さを自慢げに語っていた。だがこれらの勝利の後、状況は徐々に悪い方向へと向った。 ドイツ代表は親善試合で英国、フランス、スペインとそれぞれ引き分けた。そして3月にはブラジルに敗れた。そしてさらに、ロシア出発前のウォームアップとなる親善試合ではオーストリアに敗れ、サウジアラビアにはかろうじて勝利を収めた。 レーウ監督は、出場メンバーやシステムで試行錯誤を続けていた。そして、親善試合で負けることもあると受け入れることから、ドイツの成功が生まれると強調していた。 監督は、ロシアに到着するころにはすべて順調になると、自信を見せていた。 <興味深い選択> だが、監督の選択にも問題があった。 不可解なことに、レーウ監督はプレミアリーグの年間最優秀若手選手賞を受賞して、同世代のドイツ選手の中でも最も才能ある1人と見られるFWレロイ・サネを代表から外し、代わりに年のいったFWのマリオ・ゴメスや、ベストの状態ではないサミ・ケディラやメスト・エジルを起用した。 エジルとチームメートのイルカイ・ギュンドアンはともにトルコ系で、大会前にトルコのエルドアン大統領と一緒に写った写真が出回って一大論争の中心になっていた。 エルドアン氏を「私の大統領」と呼んだことで、両選手を代表から外すよう要求する声も出た。それが真剣に検討されることはなかったが、ロシア入りした後も写真を巡る疑問はつきまとい、明らかにどちらもトップレベルの大会でプレーできる状態ではなかった。 エジルは、初戦でメキシコに敗北した後にメンバーから外されたが、F組最終戦の韓国戦では復帰。だが衝撃的な0-2の負け試合で、いいところは全くなかった。動きが遅い上にミスが多く、2014年大会でその名をとどろかせた独創性は全く見られなかった。 だが他にも問題はあった。チームの中心となる選手が不在で、得点チャンスは山ほどあったにもかかわらず、珍しく決定力を欠いていた。1次リーグの3試合で挙げた得点はわずか2点だった。 ...

アルゼンチン劇勝で決勝Tへ メッシ右足で初ゴール

アルゼンチン劇勝で決勝Tへ メッシ右足で初ゴール

  <ワールドカップ(W杯)ロシア大会:ナイジェリア1-2アルゼンチン>◇1次リーグD組◇26日◇サンクトペテルブルク  1分け1敗で突破へは勝利が必要なアルゼンチンは、ここまでゴールを決められていないFWメッシらがスタメン。第2戦クロアチアでミスを犯したGKカバジェロに代えてGKアルマーニを起用。FWアグエロを外してFWイグアインを先発させた。 勝てば自力での決勝トーナメント進出となるナイジェリアは、第2戦アイスランド戦で2得点を挙げたFWムサが引き続き先発。19歳GKウゾホもスタメンに名を連ねた。 決勝トーナメント進出進出残り1枠をかけた運命の一戦はナイジェリアのキックオフでスタートした。 最初にチャンスをつかんだのはアルゼンチン。前半8分、DFタリアフィコが積極的にペナルティーエリア内に侵入し、左足でシュートしたが枠を外した。 ついにメッシが今大会初ゴールを挙げた。同14分、ロングボールを絶妙なトラップで縦へ抜け出すと、利き足とは逆の右足でゴール左に決めた。このゴールでW杯では06年ドイツ大会(1得点)、14年ブラジル大会3大会(4得点)を挙げており、3大会でのゴールはマラドーナとバティストゥータに並び、同国史上3人目の快挙達成となった。同34分には左からのFKを直接狙ったが、相手GKの手をかすめて右ポスト直撃。惜しくもゴールにならなかった。 前半、ナイジェリアは得意の高速カウンターが出ず、決定的なシーンを作ることが出来なかった。 前半は1-0でアルゼンチンリードで折り返した。 後半4分にナイジェリアがPKを獲得。左CKの競り合いで、相手MFマスケラーノに倒されてPKを得た。VARを採用されたが判定は覆らず。このPKをFWモーゼスが決めて、試合を振り出しに戻した。 勢いを取り戻したナイジェリアが猛攻を仕掛ける。同26分には左サイドからの横パスをMFヌディディが右足で強烈なミドルシュートを放ったが、ゴールの上を通過した。4分後にはペナルティーエリア内で相手のクリアミスを途中出場のFWイガロが右足シュートを放つもゴール左に外れて決定機を逃す。だが、クリアミスの時に手に当たったとしてまたもVARが使われたが、手に当たっていたものの、故意ではないとしてPKにならなかった。 運命を左右するゴールを挙げたのは終了間際の後半41分。崖っぷちに立たされていたアルゼンチンだった。右クロスをDFロホが、こちらも利き足と逆の右足ダイレクトでゴール右に決めて土壇場で勝ち越した。ベンチの選手も飛び出して喜びを爆発させた。 試合は2-1でアルゼンチンが勝利。もう1試合のアイスランド-クロアチアは、クロアチアが2-1で勝ち3連勝。アルゼンチンは苦しみながらも2位での決勝トーナメント進出を果たした。

W杯、ハーフタイムに一斉にトイレ? 東京で水道4割増

W杯、ハーフタイムに一斉にトイレ? 東京で水道4割増

  25日未明にあったサッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会の日本対セネガル戦で、ハーフタイムや試合終了後に東京23区内の水道使用量が急増――。東京都水道局の調査でそんな傾向が明らかになった。試合中はテレビを前に集中して観戦し、一段落した時間帯に一斉にトイレやシャワーを使ったとみられるという。 水道局のデータによると、試合開始後の25日午前0時過ぎから、23区内の水道使用量は平均値を下回って推移。前半終了時点に比べ、その4分後の使用量は41%増えた。後半開始後も平均値を下回っていたが、試合が終わると再び急増。13分後に59%増となった。 水道局によると、19日のコロンビア戦も同じ傾向だった。担当者は「国際的な大会の中継があるとみられる現象だが、なかでもサッカーは顕著」と話す。経験を踏まえ、水道局は急激な需要の増減で水が出にくくならないよう、水量や水圧をあらかじめ調整しているという。

もし太宰治が、W杯日本代表の観戦記を書いたら…

もし太宰治が、W杯日本代表の観戦記を書いたら…

  大熱戦となったサッカー・ワールドカップの日本―セネガル戦。作家の太宰治だったら、どんな観戦記を書いたでしょうか。話題となった著書「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」の筆者の一人、菊池良さんに執筆していただきました。 ◇ 端の多い生涯を送って来ました(サイドバックなので)。 私はサッカアの結果を語るのも、聞くのもいやなのです。戦いのあとには犠牲者しかいません。 「セネガルが相手のこの試合に勝てば、決勝トーナメント進出が決まるかもしれない」 私はおそろしさにがたがた震える思いでテレビを見つめていました。試合は先行するセネガルに対して乾が取り返す、しかし再び一点を取られる、といった有り様でした。 ああ、ボウルを失うということは、なんとおそろしい、救いの無い地獄なのだろう。そう震えおののいていると、隣で見ていた家内がしきりに言うのです。 「縦に早く、縦に早く」 私は蹴りたい人だけが蹴ればよい、と思いました。しかし、家内はちがうようです。 「デュエルしなさい、デュエル」 そう命令口調で言うのです。ふと、これは何だかおかしいなと気がつきました。 「おい、お前、監督はもうハリルホジッチじゃないよ」と言いかけて、思わず私は笑ってしまいました。家内がそのことを知らないはずないのです。日本の監督は、西野朗。セネガルの監督の名前は、アリウ・シセ。 私が笑っていると、家内が面白くも何とも無いという顔をして、「なぜ、応援しないの」と言いました。私は震撼しました。サッカアに、全くの無関心であることが見破られていたのです。 「そりゃ、お前、なぜって、……」 後半も三十三分をまわったところで、テレビから歓声があがりました。本田が同点のゴオルを決めたのです。私は、油汗を流しながら、必死のサーヴィスを演じて言いました。 「……大迫半端ないって」 眼の前には、あざやかな地獄がひろがっています。 M・C マイ・センタアハーフ。 平成三十年六月二十五日。 ...

本田圭佑の兄、代理人として ミラン幹部に「10番を」

本田圭佑の兄、代理人として ミラン幹部に「10番を」

  サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会の初戦、本田圭佑(32)はコーナーキックで勝ち越し点を演出した。3度目のW杯。「世界一を目指す」と公言し、輝かしいキャリアを築き上げてきた。それを代理人として支えたのは、兄の弘幸さん(34)だった。 コロンビア戦で、本田の出番は後半25分にやってきた。香川真司(29)に代わってピッチに入り、歴史的な勝利に貢献。試合後「ここからようやくW杯が始まる。この勝利で、いい意味で冷静に調子に乗れればなと思う」と語った。 4年前の1月。スーツ姿の本田は世界の注目を集めていた。イタリア1部リーグ、セリエAで18度の優勝を誇る名門・ACミランへの移籍会見。200人以上の報道陣を前に、本田は英語で記者の質問に答えた。 「夢が実現しました。12歳の時、『いつかセリエAで背番号10をつける』と作文に書いていたから」 会見場の脇には、弟の雄姿をそっと見守る兄の姿があった。この移籍は兄、弘幸さんの存在なくしてはなし得なかった。 その1年以上前、弘幸さんは1人、イタリア・ミラノにいた。目の前に立つ建物は、通称「ミラネッロ」。ACミランの練習場兼クラブハウスだ。周りにはファンやマスコミが集まり、選手らの出入りに目を光らせる。 弘幸さんは迷わず、その中を進んだ。「ジャポネーゼ、何してるんだ」。いぶかしがる守衛にこう言った。「移籍交渉に来た」 10分ほどの押し問答。その末に現れたのは、ACミランで強化を担うスポーツディレクター、ブライダ氏だった。カウンターでエスプレッソを飲み干すと、奥に通された。「何をしに来たんだ」 交渉は難航した。当時、ACミランには各国代表クラスのFWが7人。「圭佑は中盤の選手。ボランチでもいい」。毎月のようにブライダ氏の元へ通った。 「背番号10にしてくれ」 部屋に通されないこともあった。状況を打開するため、弘幸さんは狙いを変えた。現地のベテラン代理人と親交を持ち、ガリアーニ副会長に近づいた。ベルルスコーニ名誉会長(元イタリア首相)の右腕として、長くクラブを支えてきた大物だ。この面会を機に、交渉は前に進み始めた。 ある日、弘幸さんはガリアーニ副会長に言った。 「背番号10にしてくれ」 「ミランの10番。その意味はわかってるのか?」 「わかっている」 これが、本田がACミランの1…

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共同通信の調査によると、日本の大手企業は、経済見通しへの懸念から、2020年度は4月から今年に比べて新卒採用を控えている。 トヨタ自動車、ソニー、みずほフィナンシャルグループを含む112社の調査では、21%、23社が、2019年度の29%からさらに多くの新卒採用を計画していると語った。 それでも、多くの企業は同時に、国内の慢性的な労働力不足と急速な高齢化を考えると、労働力の中で女性と外国人の数を増やすことに熱心であると述べました。 3月中旬から4月上旬にかけて行われた調査では、34%、つまり38社が以前のレベルの新卒採用を維持するとし、16%が10%から雇用を減らすと答えた。 より多くの新卒者を採用することに積極的な姿勢を示している企業は、鉄鋼、機械、不動産、小売の各分野で際立っていました。 10月に消費税を現在の8%から10%に引き上げるという政府の計画で激化している日本経済の方向性に対する不確実性に加えて、ある製造業者は情報の進歩でより少ない数の労働者が必要になると示唆した技術。 しかし、60%の企業が、主に日本の少子高齢化社会のために、必要な資源の確保に苦労していると答えています。 この状況に取り組む努力の一環として、57%が女性により有利な職場環境を作り出そうとしていると答え、24%がより多くの外国人労働者を受け入れようとしていると答えた。

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