【国会詳報】首相、加計氏発言「コメントの立場にない」

Source: asahi

 

延長国会の論戦がスタート。参院予算委員会で、安倍晋三首相らが出席し集中審議が開かれました。森友・加計学園問題などをめぐる論戦をタイムラインで詳報しました。

あさっては党首討論 麻生氏が皮肉った「ロスタイム」、ドラマ起きるか(寸評)

(斉藤太郎記者) 森友学園問題で共産党が入手したという「新文書」をめぐり、安倍晋三首相は「知らぬ存ぜぬ」の姿勢を鮮明にしています。首相は18日に「今の段階では全く架空」と断じ、1週間たったきょうも「どのようなものかまったく承知していない」と述べました。

共産が入手したというペーパーは2枚。一つは森友学園との国有地取引の記録について「(財務省は)最高裁で争う覚悟で非公表とするだろう」と記されていました。地検による財務省の文書改ざんの捜査を急がせるために「官邸も法務省に何度も巻きを入れている」との記載もあります。

もう1枚には、首相の妻昭恵氏が学園の小学校の名誉校長だと直ちに国土交通省大阪航空局まで伝わっていた状況が記されていました。きょうの質疑ではこうした文書の真偽について議論は深まりませんでした。

きょうの集中審議に続き、26日に働き方改革関連法案などの審議、27日に党首討論の開催で与野党は合意しており、首相は3日連続で国会答弁に立ちます。しかしそれ以降で、首相出席が想定されている委員会質疑は現段階で「カジノ実施法案」のみです。

「野党との3連戦を乗り切るから、後は担当省庁に任せた」――。きょうの首相の答弁と国会日程をみていると、そんな戦略で逃げ切りをはかろうという狙いがすけて見えます。

麻生太郎財務相がサッカーのワールドカップ(W杯)にたとえて「ロスタイム」と皮肉った延長国会。私はサッカーをやってきましたが、ロスタイムにこそドラマは起きるものです。野党の気迫や力量が問われます。

首相、森友・加計でコメント拒否 集中審議終わる(16:23)

 安倍晋三首相らが出席した参院予算委員会の集中審議は午後4時23分、散会した。森友・加計学園問題をめぐる質問に対し、首相はコメント拒否を連発した。

加計問題をめぐり、加計孝太郎理事長が2015年2月の首相との面会を否定したことについて、首相は「コメントする立場にない」。森友学園問題では、新たな内部文書の存在を野党に追及されたが、「答えようがない」と述べた。

首相「会見は独特の雰囲気、質問の趣旨取り違えることも」加計氏かばうような発言(16:10)

【加計学園問題】安倍晋三首相が、親友の加計孝太郎・学園理事長の記者対応をかばうかのような発言をした。社民党の福島瑞穂氏が「加計氏はウソをついているのではないか」と発言の不自然さを指摘したのに対し、首相は「会見は独特の雰囲気があり、不慣れな人にとっては一問一答でたたみかけられると、時には質問の趣旨を取り違えて答えてしまうこともありうるんだろう」と述べた。

加計氏は記者会見で、学園の職員が首相周辺と会ったかどうか聞かれ、「ないです」と答えた。だが、柳瀬唯夫・元首相秘書官は学園関係者と3度面会したと国会で証言しており、食い違いが指摘されている。

福島氏は加計氏の証人喚問を求めたが、首相は「私は政府の代表としてここに立っている。私が答えるのは適切ではない」と繰り返した。

参院予算委で質問する社民党の福島瑞穂氏=2018年6月25日午後4時、岩下毅撮影

首相、きょうも「決まり文句」 加計問題の疑い晴れず(寸評)

(星野典久記者)「前川(喜平・前文部科学事務)次官を含めて、私から指示を受けた人は誰もいない。そして民間議員も『一点の曇りもない』と明確に述べている。行政プロセス自体には全く問題がなかったことは明確だ」

これは加計学園問題について答弁する際の安倍晋三首相の決まり文句です。きょうは国民民主党の浜田誠氏が加計孝太郎・加計学園理事長の証人喚問を求めたときに発言しました。

しっかりと検証してみましょう。まず前川氏の件ですが、確かに前川氏は首相から直接指示を受けたとは言っていません。首相側近の和泉洋人・首相補佐官から「『総理は自分の口から言えないから、私が代わって言う』と言われた」と証言しているのです。

当の和泉氏も、昨年7月の国会審議で前川氏と面会したことを認めつつ、「こんな極端な話をすれば記憶に残っている。そうした記憶は全く残っていない。従って言っていない」と発言を否定。具体的な反証はありませんでした。

次に「一点の曇りもない」について。民間議員とは、国家戦略特区諮問会議議員であり、下部組織の特区ワーキンググループ(WG)座長でもある八田達夫氏のことを指します。

2015年6月5日の特区WGの議事要旨と議事録には、加計学園関係者の出席と発言が記録されていませんでした。八田氏によると、学園関係者は「説明補助者」だから記載の必要はないとの説明でしたが、こうした運用は座長である八田氏の一存で決めることができる仕組みであり、そもそも諮問会議議員とWG民間委員の選定過程も不透明です。これで行政プロセスが「一点の曇りもない」と言えるのでしょうか。

首相がこうした決まり文句を続ける限り、獣医学部設置に至る行政プロセスがゆがめられた疑いは決して晴れないのです。

カジノ法案、首相「ビジネスの起爆剤」 共産批判「何を夢のような」(15:20)

【カジノ実施法案】延長国会の焦点となるカジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案をめぐり、共産党の大門実紀史氏は「カジノなんかいらない。健全な観光政策を進めるべきだ」と批判した。これに対し、安倍晋三首相はカジノを統合型リゾート施設の収益源と位置づけた上で、「新たなビジネスの起爆剤」「雇用創出も見込める」「さらなる海外からの観光客が期待される」などとIR誘致後に想定されるメリットを並べた。

大門氏は「何を夢のようなことを言っているのか」などと反発。野党は法案審議を通じてギャンブル依存症や治安悪化などの問題点を追及する構えだ。

国交相も「コメント控える」森友新文書 委員会中断(15:10)

【森友学園問題】共産党が入手したという「新文書」をめぐり、参院予算委員会の質疑が断続的に中断した。

共産党の大門実紀史氏が、国土交通省内で文書の有無を調査するよう求めたのに対し、石井啓一国交相は「行政機関の間のやりとりは日常的にやっている。途中過程を示すと今後、事案が進まなくなる。これまでも提出は控えており、コメントも控える」と反論。「出所不明で、体裁からしても行政文書とは思えない」と調査を拒否した。

大門氏は「公益通報制度を分かっているのか」などと追及したが、石井氏は「公益通報制度かどうかを含めて確認する」と「ゼロ回答」。野党議員が抗議し、審議が止まった。

いったんは再開したが、石井氏は「どういったことができるか検討したい」と述べるにとどめたため、テレビ中継される中で審議が再び中断。約5分間にわたり与野党が対応を協議した。その間に安倍晋三首相と麻生太郎財務相が「トイレ」を理由に一時退席していたため、審議を再開できないハプニングも起きた。

その末、石井氏は最後まで調査を拒否したまま「どういう対応をできるか検討したい」とのあいまいな答弁で押し切り、野党議員からヤジが飛んだ。

「官邸も法務省に巻き」の新文書、法相「答えることできない」(14:30)

【森友学園問題】財務省の文書改ざんをめぐり地検の捜査を急がせるため「官邸も法務省に何度も巻きを入れている」と記された政府内の文書の存在を指摘されている問題について、上川陽子法相は「ご指摘の文書の内容、趣旨が分からない。答えることはできない」と答弁を避けた。

文書は共産党が「入手した」として18日の国会論戦で公表し、この日の集中審議で立憲民主党の福山哲郎氏が問いただした。国土交通省の蝦名邦晴航空局長も「出所不明なので答えることは控えたい」と述べた。福山氏は「またもや怪文書扱いか」と憤った。

自民党総裁の安倍首相、党に国会招致の指示を(寸評)

(星野典久記者) 「いつも自民党総裁として指示しまくっている方がこういうときだけ立場を変えるという。一国の総理としてあまりにせこい答弁だ」――。国民民主党の伊藤孝恵氏が、「首相」と「自民党総裁」の立場を使い分ける安倍晋三首相を痛烈に批判しました。

森友・加計学園問題の関係者を国会招致するべきだと求めた伊藤氏に対し、首相は「わたしは行政府の長。委員会の理事に対して何の権限もない」として答弁を拒否。肩書を都合よく使い分けて答弁を回避する首相への批判でした。

同様の使い分けで答弁を避ける姿は過去にもありました。昨年5月、安倍首相は読売新聞のインタビューなどで、9条に自衛隊の存在を明記し、2020年に施行したいと語りました。しかし、このことを国会で問われると「あれは党総裁としての発言」として説明をはぐらかしています。

新聞やテレビが安倍氏の発言を大きく報じるのは、安倍氏が日本の首相だからこそ。肩書を使い分けても、その強大な影響力は世の中にとってみればイコールです。首相と総裁を使い分けることができるのであれば、党総裁として出席している自民党役員会で国会招致を指示すればいいのではないでしょうか。

立憲・福山氏、佐川氏の偽証罪での告発を要求(14:30)

【森友学園問題】立憲民主党の福山哲郎氏は、財務省理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)氏の3月の証人喚問での発言に偽証の疑いがあるとして、「院として偽証罪の検討を求めたい。院の権威がおとしめられている。賛同をお願いしたい」と述べ、偽証罪での告発を求めた。金子原二郎委員長(自民党)は「理事会で協議する」と述べるにとどめた。

森友学園に国有地が大幅値引きで売られたことについて、佐川氏は証人喚問で「昨年2月上旬の新聞の報道で初めて知った」と述べたが、財務省が今月発表した調査報告書には「市議や報道機関から情報公開請求などの動きがあり、2017年2月初旬、理財局長に概略を説明」などと記されている。

麻生氏「ねじ曲げて伝えられた」 「セクハラ罪って罪はない」発言の報道を批判(13:50)

【前次官セクハラ問題】「ふざけた記事の作り方だと思いましたよ」。麻生太郎財務相がセクハラ発言問題をめぐる自らの「セクハラ罪っていう罪はない」との発言をめぐり、マスコミを批判する一幕があった。

国民民主党の伊藤孝恵氏が発言に疑問を呈したのに対し、麻生氏は「セクハラ罪という罪はない。法律的にはございません」と強調。「『セクハラ、罪ではない』と書かれてみたり、セクハラと罪の間にコンマをつけて『セクハラ・罪はない』というような書き方をされたり。いろいろねじ曲げて伝えられて甚だ残念だ」と述べ、自身の問題発言よりもむしろマスコミの報道ぶりを問題視した。

首相の「再発防止」強調、「幕引き」図る思惑か(寸評)

(斉藤太郎記者) 安倍晋三首相が繰り返す「うみを出す」とは、どういうことなのか――。加計学園問題をめぐり国民民主党の浜口誠氏が問うたのに対し、首相はこう答えました。「再発防止に全力を傾注するのがうみを出すことだ」

日本語として違うのではないでしょうか。「うみを出す」というのは、化膿(かのう)した部分、つまり政府内に蓄積した弊害がなんなのか真相を究明し、応急処置をとることだと考えるのが普通です。次からは化膿しないような今後の対処を考える「再発防止」のことではありません。

「再発防止」を強調することで、疑惑追及の「幕引き」を図ろうとする首相の思惑が見え隠れします。

首相、自民・穴見氏の参考人へのヤジ「大変残念な発言」(13:50)

【自民党議員ヤジ問題】安倍晋三首相は、受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案を審議する衆院厚生労働委員会に参考人として出席した肺がん患者に対し、自民党の穴見陽一衆院議員が「いい加減にしろ」とヤジを飛ばした問題について、「大変残念な発言だった。委員会で述べている人の気持ちに寄り添って対応しなければならない」と述べた。国民民主党の伊藤孝恵氏が「政治家が言ったことの責任をとらないという傲慢(ごうまん)な態度が、与党に蔓延(まんえん)している」と指摘したのに対し、答えた。

首相、加計氏の面会否定発言「私がコメントする立場にない」(13:30)

【加計学園問題】加計学園の加計孝太郎理事長が記者会見で、愛媛県の文書に記された2015年2月の安倍晋三首相との面会を否定したことについて、首相は「私がコメントする立場にない」と述べた。国民民主党の浜口誠氏が「加計氏の説明責任は果たされたか」と問うたのに対し、答えた。

浜口氏が加計氏の国会での証人喚問を求めたのに対しても、首相は「ここには行政府を代表する者として立っている。国会でお決めになることだ」と述べるにとどめた。続けて質問に立った国民民主の伊藤孝恵氏も「今すぐ与党理事席に向けて関係者の招致を指示すべきだ」と指摘。首相と自民党総裁の立場を使い分ける安倍氏の対応を「あまりにせこい」と批判した。

首相「拉致と通商のバーターはない」対トランプ氏(13:20)

【日米通商問題】安倍晋三首相は、米トランプ政権が鉄鋼やアルミ製品、自動車への高関税措置を検討していることについて、「世界市場を混乱させかねないもので極めて遺憾だ」と述べた。欧州連合(EU)が米国製品への報復関税を発動したが、首相は「対抗措置をとること自体が目的ではない。対抗措置のオプションを持ちながら結果が得られる最善の戦略をとる」と強調した。

国民民主党の浜口誠氏の質問に答えた。首相は日米首脳会談でトランプ大統領に関税措置回避を働きかけてきた経緯を説明。「米国には拉致問題も同盟国として協力いただいているが、通商問題は性格が異なる。バーターすることは考えていない」と述べた。

浜口氏は自動車総連の出身。自動車関連の質問が続いている。

加計氏の会見後、初の首相答弁 食い違い、どう説明(寸評)

(星野典久記者) きょうの参院予算委員会集中審議は、加計学園の加計孝太郎理事長が今月19日に記者会見して以降、初めての国会審議になります。

加計氏は会見で、改めて愛媛県文書に記された2015年2月の安倍首相との面会を否定。「ことを前に進めようとして」渡辺良人事務局長が虚偽の面会話を愛媛県や今治市側に伝えたと主張しました。

加計氏の初会見は25分間の短いものでしたが、首相答弁などとの矛盾点も浮き彫りになりました。

加計氏は「我々は仕事のことは話すのはやめようというスタンスでやっている」と説明しましたが、安倍首相は昨年7月に「時代のニーズに合わせて新しい学部や学科の新設に挑戦したいという趣旨のお話は聞いたことがある」と言及。01年と14年には学園傘下の大学の式典にも出席し、祝辞も述べています。

また、首相は学園が事業者に認められた昨年1月に、学園の獣医学部新設を知ったと主張していますが、昨年5月の国会答弁で「加計氏と昨年から今年については話をしておりません」と説明していました。しかし、加計氏は、首相に初めて獣医学部の話をした時期について「(事業者に)決まってからだったんではないか」と説明。具体的な内容を問われると「ちょっと覚えていません」と答えましたが、ここでも食い違いが見られます。

加計氏は「加計学園の職員が総理の周りの方に会われたと言うことも全くないか?」と問われ、「ないです」ときっぱり。しかし、柳瀬唯夫元首相秘書官は加計学園関係者との3度の面会を証言しているので、ここも整合性がとれません。

こうした食い違いについて、きょうの集中審議で安倍首相はどう答えるのか、注目されます。

自民、森友・加計で首相らへの質問なし 少子高齢化質問に、うなずく首相(13:10)

【働き方改革】安倍晋三首相は今国会の最重要法案と位置づける働き方改革関連法案をめぐり、「1億総活躍社会の実現のための最大のチャレンジは、多様な働き方を実現させることだ」と強調した。「当分、人口が減少し、高齢化が進む。社会保障費が増えるなか、経済を成長させ、税収を増やす必要がある」とも述べた。

1人目の質問者は二之湯武史氏(自民党)。国会論戦で森友・加計問題が取り上げられる現状について「そうした状況を招いた政府を問いただしたい」と指摘したものの、閣僚席の安倍首相や麻生太郎財務相に質問することはなく、「少子化、高齢化、低成長に正面から取り組む法案を仕上げる国会だ」と述べた。首相は何度もうなずきながら、二之湯氏の質問を聞いていた。

延長国会、野党は新たに追及の場(寸評)

(斉藤太郎記者) きょうの参院予算委員会は延長国会の流れを占う「開幕戦」です。会期延長は先週の20日に決まったにもかかわらず、国会審議の「休業」状態が続いてきたからです。延長後は「仕切り直し」をするべきだという議員心理が背景にあります。

政府・与党は会期を延長すると、法案のさらなる成立を図ります。一方、あの手この手で法案審議に抵抗し、会期末の「時間切れ」を目指してきた野党は、ゴール目前でゴールテープを先送りされた形になりました。

野党にとっては延長されることで政権を追及する論戦の場を新たに確保できるのですが、「けしからん」と怒るのが通例。そこで今回の集中審議のように、与党が「総理を国会に呼んで野党のみなさんの質問を受けますから、穏便によろしく」という段取りを踏むケースが国会にはあるのです。

残り会期は27日間。法案審議の主戦場は参院です。なかでも予算委は「花形」の舞台。論戦が野党の上滑りで終われば、審議再開の単なる「通過儀礼」になりかねません。

延長国会初の論戦、問われる首相の認識 集中審議スタート(13:00)

 安倍晋三首相らが出席する参院予算委員会の集中審議が午後1時、始まった。20日に32日間の会期延長が決まって以来、初の国会論戦。森友・加計(かけ)学園問題やカジノ解禁の是非、北朝鮮情勢や大阪北部地震への対応などをテーマに議論が戦わされる。

加計問題をめぐっては、学園の加計孝太郎理事長が19日、記者団の取材に応じ、愛媛県の文書に記された2015年2月の首相との面会を否定。ただ、「記憶にも記録にもない」とあいまいな言い回しにとどまった。

森友問題では、会計検査院が19日、財務省による改ざん文書の提出を会計検査法違反と認定する中間報告を国会提出。森友学園との国有地取引の記録をめぐり「(財務省は)最高裁で争う覚悟で非公表とするだろう」と記された政府内の文書の存在も共産党が指摘している。

それぞれの問題について首相の認識が問われることになりそうだ。

野党の質問は1時15分以降。国民民主党は当選1回の2人に論戦を挑ませ、2時前には立憲民主党の福山哲郎幹事長が質問に立つ。共産の大門実紀史氏の質問は2時50分ごろ、社民党の福島瑞穂氏は3時半過ぎから。委員会は4時ごろに散会する予定。

政府側は法治国家にふさわしい答弁を 森友・加計問題(寸評)

(星野典久記者) 「公文書って改ざんしていいんですかね」。先日、欧州から3年ぶりに帰国した近所の方にこう聞かれました。当然「だめですよ」と答えると、「うちの会社でも『トラブルがあったら書類を書き換えればいいのかも』なんて話が出ていますよ」と言います。もちろん笑い話の冗談でしたが、その方は「日本はいつから法治主義ではなくなったんですかね」と残念そうに話しました。

「法治」の対義語は「人治」です。法治は「法による支配」、人治は「人による支配」を意味します。法があっても抜け穴が利用されたり、ねじ曲げられたりするなど運用に問題があれば法治とは言えず、国際社会では信用を得ることはできません。法治国家らしくないことが今の日本で起きている。それが「森友・加計学園問題」です。

不当に土地を安く売り渡したのではないか。特別な計らいで親友だけに規制緩和を認めたのではないか。1年以上もの間、「国政の私物化」を疑わせる数多くの文書や証言が出てきました。安倍晋三首相ら当事者たちはそれらを否定するものの、根拠を問われると「記憶にない」「記録にない」などの言葉を繰り返し、具体的な反証を示しません。与党側も安倍昭恵氏や加計孝太郎氏などキーマンの国会招致にはかたくなです。

憲法に「法の下の平等」を掲げた日本では、権力行使は公平性と透明性が前提であり、政府には説明責任が生じます。ところがあったことをなかったといい、公文書までもが改ざんされる。「いつまでモリカケをやっているのか」との声が一部から出ていますが、議論を長引かせているのは野党やメディアではありません。政府側には法治国家にふさわしい真摯(しんし)な答弁を期待したいと思います。

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