<官房機密費>闇の温床 自民、下野直前2.5億円消滅

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「毎年10億円以上が闇に消えるのは異常だ」。政府が初めて開示した内閣官房報償費(官房機密費)の支出に関する文書。20日に大阪市内で記者会見した市民団体の弁護団は、機密費の大半が領収書が要らない「政策推進費」として使われている実態を指摘し、運用改善を求めた。

「請求から11年かけてようやく文書が開示されたが、領収書もなく使途を検証できない」。市民団体「政治資金オンブズマン」の阪口徳雄弁護団長は声を荒らげた。1月の最高裁判決を受け、国は一部の書類を開示したものの、支出の9割は領収書が不要な政策推進費だった。弁護団が特に問題視したのは、2009年9月、麻生太郎内閣の河村建夫官房長官(当時)が機密費2億5000万円を引き出したことだ。8月30日の衆院選で民主党が圧勝し、自民党の下野が決まっていた。

開示文書によると、9月8日、国庫から2億5000万円が官房機密費に入金。同10日には、官房長官が管理する政策推進費に全額が移された。民主、社民、国民新党の連立で鳩山由紀夫内閣が発足した同16日、残額はゼロになっていた。阪口弁護団長は「政権が終わる直前に何のために使ったのか。適正な支出とは思えない」と指摘。河村氏の事務所は取材の申し込みに「20日中の回答は難しい」と答えた。

機密費は過去に不透明な使途の一部が表面化した。02年に共産党が、1991〜92年の宮沢喜一内閣時代の「機密費の支出を記載した文書」を公表 国会議員のパーティー券や商品券に使われた実態を明らかにした。

10年には野中広務元官房長官(故人)が毎日新聞のインタビューに「(自民党)国対委員長に与野党国会対策として月500万円、首相の部屋に1000万円を配った」と証言した。

政府は情報収集や外交交渉に支障が出るとして、一貫して使途の開示を拒んできた。民主党政権の鳩山首相(当時)が10年に一定期間経過後の使途公開を表明したが、平野博文官房長官(当時)が否定的な考えを示して実現しなかった。

オンブズマンは20日、▽国会議員や公務員への支払い禁止▽将来の使途公表−−など運用の見直しを求める要求書を菅義偉官房長官に送付した。

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