ABB会長「世界の構造変化、加速」世界経営者会議

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スイスの産業用機械大手ABBのピーター・ボーザー会長は6日、第20回日経フォーラム「世界経営者会議」で講演し、「技術の進歩によって世界の構造変化がかつてなく加速している」と指摘した。断絶の時代に企業が継続的な成長を遂げるには「利益を追求するだけでなく『目的』を持ち、新しい価値観を持つ才能ある若者を集めることが必要だ」と訴えた。

ABBは世界の送配電事業で世界最大手で、再生可能エネルギーの普及に重要な役割を握る。産業用ロボットでもファナックなどと世界首位を競い、ドイツが推進する製造業のデジタル化「インダストリー4.0」やあらゆるモノがつながるIoTのけん引役だ。ボーザー氏は「デジタル技術の進展が既存の産業や価値観をひっくり返し続けている」と指摘する。

その好事例として挙げるのが、同社が現在最も注力している自動車の電動化だ。ABBは電気自動車(EV)に8分間で200キロメートル分の電力を供給する急速充電システムを開発した。テクノロジーが社会を急速に作り替え、EV普及の現実性が一気に増した。

こうした時代に対応するため、企業は才能のある若い世代を取り込む必要がある。ボーザー氏はABBがスイス国内で技術系学生の就職希望先として米グーグルを抑えてトップを走っていると紹介。「現実の社会に技術を適応できる事業に魅力がある」ことを理由に挙げる。

同氏は「若い世代は目先の利益だけでなく、それ以上に目的を持つことを企業に求めている」とし、「企業が利益と持続可能な成長性を双方を備える必要がある」と訴えた。350億ドル(約3兆9500億円)に上るABBの売上高のうち、半分が地球温暖化対策に直結する事業によるものとし、こうした点が若者から見た魅力になっていると指摘する。

常にインターネットとつながっている時代では「才能のある技術者は健康的なワークライフバランスを重視し、視野を広げ、新しいスキルを得ることを重視する」と分析。「労働時間より目標を重視し、能力を高められる教育環境を整備すべきだ」と述べた。

日本については「高齢者の生活水準の向上や労働者の効率改善に、ロボット技術が浸透していることにいつも驚かされる」と評価した。こうした先端技術によって「持続可能なエネルギーシステムの実現や気候変動などの世界の脅威を解決することができる」と語った。

Source :

nikkei

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