シャープ、8Kで欧州リベンジ モニターを4月末発売

Source: nikkei

 

独ベルリンで8月末から開かれる欧州最大の家電見本市「IFA」の今年の技術動向を提示する記者会見が4月中旬、イタリアのローマで開かれた。音声認識技術など人工知能(AI)を使ったスマート家電が大きな潮流になる一方で、超高精細の8Kモニターを4月末から欧州で発売すると表明したシャープが話題となった。

「パスワードはSharp―8kです」。会場に到着した報道陣がまず驚いたのは、送迎バスに大きく書かれたシャープのロゴと、同社の名前を冠した無線LANのパスワードだ。同社が多額の協賛をしたことが背景にあり「シャープが積極姿勢に転じた」という声が記者から聞かれた。

シャープが発表したのは70型の8Kモニター。「衛星放送など様々な用途に対応できるようにチューナーはあえて搭載しなかった」とTVシステム事業本部の藤根俊之第二開発部長は語る。この会見に日本から技術責任者が駆け付けるのは初めてで、シャープの熱意がうかがえた。

ただ、日本では年末から8Kの実用放送が始まるが、欧州では今のところ放送予定はない。それでも商品を欧州に投入するのは「ネット配信や医療、産業用途など新たな需要を喚起することで、8K市場でシャープの先進性を訴えたいから」と、同社傘下の欧州製造子会社、UMCのサシャ・ランゲ副社長は語る。

UMCはシャープが財務的に苦しくなった際にテレビのブランド使用権を売却したスロバキアの家電メーカーだ。しかしシャープは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入り財政難を乗り切ったことで、昨年にはUMCの株式の過半数を取得し、傘下に収めた。現在はシャープのポーランド工場を運営するなど、欧州における現地法人に位置づけられている。

シャープはIFAの見本市でも出展を一時期控えていたが、「技術とブランドに加え資金力と販売力を得たことで、今後はテレビ以外の商品分野でも欧州市場で攻勢をかけていく」とランゲ副社長は強調する。テレビの欧州販売も今年は120万台、2020年には300万台を売る計画だ。

世界のテレビ市場はデジタル化が一巡したことで販売が一時伸び悩んだが、超高精細の4Kテレビの登場で再び販売が拡大している。独調査会社、GfKによると2018年の4K(UHD)テレビの世界販売台数は前年比38%増の9840万台を予測する。売上高は同35%増の778億ドル(約8兆4000億円)を見込んでおり、こうした状況からも8Kが受け入れられる環境が整いつつある。

だが、問題は8Kの技術をどう欧州の消費者に訴えていくかだ。ディスプレー技術に詳しい英調査会社、IHSマークイットのポール・グレイ調査部長は「シャープだけでなく、NHKなど日本全体として8K技術の欧州展開を後押ししていく必要がある」と言う。

シャープは欧州の白物家電事業については、トルコの家電メーカー、ベステルにブランド使用権を売却しており、現在その買い戻しに動いている。今後は音響映像製品から白物家電まですべて以前のように直販体制に切り替えていく戦略だが、それには鴻海―シャープ―UMCの間の結束力を一層高め、機動的に動いていくことが求められている。

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nikkei

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