平安期に「般若心経34巻書写」 記録の板、鳥取で出土

Source: asahi

 

「飛鳥美人」で知られる奈良県明日香村の高松塚古墳(7世紀末~8世紀初め)の極彩色壁画(国宝)と似た女子群像の板絵が出土した鳥取市の青谷横木(あおやよこぎ)遺跡で、平安時代に般若心経を書写したことを記録した「勧請板(かんじょういた)」がみつかっていたことが分かった。調査した鳥取県埋蔵文化財センターは、古代の地方社会での仏教のあり方を探る貴重な資料とみている。

センターによれば、勧請板は2015年の発掘調査で出土し、長さ45・7センチ、幅9・6センチ、厚さ1・4センチのスギ材。赤外線などで詳細に分析した結果、墨で「承和12(845)年3月17日に般若心経を34巻書写した」と記されていることが判明した。

勧請板は、集落の入り口や門に掲げて五穀豊穣(ごこくほうじょう)や無病息災を願うものとされ、願をかけたとみられる「糸井広女」「糸井広成」「○○部鴨取」の3人の名前も記録され、文献資料では知られていなかった有力氏族が9世紀の青谷地域に存在していたことも、初めて明らかになった。

勧請板は、「一遍上人絵伝(いっぺんしょうにんえでん)」(1299年)や「三国伝記」(1407年)など主に鎌倉時代以降の絵巻物や文献に登場し、平安時代にさかのぼる資料は珍しいという。

また、この勧請板には三つの穴が開けられ、田んぼの中を歩くための「田下駄(たげた)」だった可能性が高い。センターは、田下駄は10世紀に使われていたとみられるが、勧請板に記された文字が色あせ、のちの人々が勧請板とは知らずに田下駄に加工した可能性があると推測する。

青谷横木遺跡をめぐっては、飛鳥~奈良時代としては全国2例目となる女子群像の板絵が出土したほか、朝鮮半島西南部を支配した古代国家・百済(くだら)の出土品にみられる仏教芸術のモチーフ「山岳文様」とよく似た文様が施された銅板や、仏の顔とみられる墨絵の描かれた木札が出土。専門家の間では、この地域は仏教と深いかかわりがあったとの見方が強まっている。センターの下江健太・文化財主事は「勧請板は、この地域での仏教活動の一端を示す資料として重要だ」と話す。

勧請板と女子群像の板絵は、鳥取市の鳥取県立博物館で5月6日まで展示されている。問い合わせは博物館(0857・26・8042)へ。

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