シリア、アサド政権優位動かず 首都近郊制圧を宣言

Source: vanityfair.com

 

トランプ米政権は14日、シリアのアサド政権による化学兵器使用を理由に政権発足以来2度目のシリア攻撃に踏み切った。化学兵器関連施設を破壊した一方で、政権軍基地への攻撃は見送った。アサド政権は同日、首都近郊の反体制派地域の完全制圧を宣言。シリア内戦における優位を誇示した。

「テロリズムを完全に浄化した」。アサド政権軍は14日、政権による化学兵器使用が疑われる首都ダマスカス近郊東グータ地区の完全制圧を国営メディアを通じて宣言した。同地区は2011年に始まった内戦の初期段階から反体制派が拠点としており、首都へのロケット弾攻撃など大きな脅威となっていた。

アサド政権は13年から同地区を包囲し、食料や医療品などの搬入を遮断してきた。18年2月中旬から掃討作戦を強化し、無差別な空爆や砲撃で民間人1600人以上が死亡した。シリアの反体制派にとって、東グータの喪失は16年12月の北部アレッポ陥落に次ぐ大きな打撃となる。

米国防総省によると、米国、英国、フランス軍による今回の合同軍事行動では3カ国が計105発のミサイルを発射し、ダマスカス近郊の化学兵器研究施設や中部ホムスの保管施設など3カ所を破壊した。米英仏は「共同作戦は成功」との認識で一致した。

ただ、今回の攻撃では無差別空爆に使われてきた戦闘機やヘリコプターなどの破壊は行われなかった。数日前から兵員や装備を退避させていたアサド政権側は、大半のミサイルの迎撃に成功したと説明している。

シリア内戦は政権と反体制派の争いが過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭で三つどもえに変化し、泥沼化した。アサド政権の支配地域は一時、地中海沿岸と首都などの限られた地域に縮小した。しかし、15年にロシアが軍事介入すると形勢が逆転、息を吹き返したアサド政権は反体制派やISから主な都市や道路などを次々と奪還した。

ISの支配地域はイラクとの国境沿いなどわずかな地域に縮小した。反体制派は北西部イドリブや南部ダルアーに追い詰められており、政権側はロシアやイランの支援で制圧作戦に乗り出す時機をうかがっているもようだ。

反体制派の指導者は化学兵器が使えなくなっても、政権軍は非人道兵器である「たる爆弾やクラスター爆弾を使うだけ」として、米英仏の攻撃は限定的で不十分と指摘している。シリア内戦におけるアサド政権の圧倒的な優勢は変わらない。

シリア北部や東部はIS掃討で米軍の支援を受けるクルド人勢力が、北西部はクルド人勢力を敵視するトルコ軍と傘下の民兵組織が支配するが、アサド政権とは勢力圏の住み分けをしているのが実態だ。

トランプ氏はクルド人勢力の支配地域に駐留する約2千人の米部隊を早期に撤退させたい考えを繰り返し示しているが、米政権内部ではアサド政権やイラン、トルコを利するだけとの見方も根強い。

Source :

nikkei

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*


thirteen + seventeen =