米、再交渉で対韓FTA押し切る 米軍撤収もカード

Source: newstopics.jp

 

トランプ米政権は27日、韓国・文在寅(ムン・ジェイン)政権との自由貿易協定(FTA)再交渉が妥結したと正式発表した。交渉開始から3カ月のスピード合意は、韓国のウォン安誘導を禁じる為替条項を盛る異例の決着となった。米政権は在韓米軍の撤収すらちらつかせ、2国間取引の成果を威圧外交でもぎ取る姿勢を鮮明にした。

「米国の通商交渉史上で極めて大きな勝利だ」。米韓交渉の合意を明らかにしたホワイトハウス高官は27日、高揚感をにじませた。米韓は(1)米国基準のまま韓国で販売できる米国車の枠を倍増(2)韓国製ピックアップトラックの関税撤廃時期を2021年から41年に延長――などで合意した。

米韓は12年にFTAを発効させたが、米国の対韓貿易赤字は229億ドル(約2.4兆円、17年)と11年比で7割増えた。今回の合意でその赤字額が大きく減るとは思えないが、米側の貿易交渉で初めて相手国の通貨安誘導を封じる為替条項を盛ることに成功した。

「米韓の貿易と経済関係を発展させる重要な進展だ」。米韓両国は28日の共同宣言文でこう評価したが、実際の交渉は終始、米国ペースだった。

「南北朝鮮の境界には3万2千人の米兵がいる。どうなるか見てみよう」。1月に米韓で始めたFTA再交渉が急に動いたのは3月14日。トランプ氏はミズーリ州での集会で、FTA交渉が不調に終われば在韓米軍を撤退する可能性を示唆した。翌15日、ワシントンでは米韓FTAの3回目の交渉を控えていた。

8日にはトランプ氏が米朝首脳会談の開催を受諾。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が在韓米軍の撤退や縮小を持ち出す可能性が出てきていた。同じ日、鉄鋼輸入制限の発動も決定。当初は日本製などと同様に韓国製鉄鋼に25%の関税を課すとしていた。米側は鉄と安全保障を絡めて韓国に圧力をかけた。

米の対韓貿易赤字のうち「要因の8割は自動車」(米政府高官)だ。米政権はさらに詰めに動いた。それが為替条項だ。

韓国は為替介入の実績を公表しておらず、米当局には不信感が強い。米財務省は16年7月から17年6月までの1年間で、韓国が49億ドルのウォン売り介入を仕掛けたと推測する。米自動車大手はウォン安による韓国車の流入を阻むため、政権に為替条項を盛るよう長く働きかけていた。

米側は「米韓FTAを早期妥結すれば鉄鋼関税を適用除外にする」と露骨に迫った。26日に韓国政府は米韓FTAの見直し合意を発表したが、為替条項については米政権が27日に突然、「FTAの付帯協定」としてその存在を明らかにした。

為替条項は(1)競争的な通貨安誘導を禁じる(2)通貨政策の透明性と説明責任を高める――ことが柱で、米韓の通貨当局が詳細を最終協議中だ。

トランプ氏が米韓FTA再交渉の早期合意にこだわったのは、秋の中間選挙をにらみ成果を欲していたためだ。「トランプ政権の通商戦略が結果を出し始めている」。米製造業協会のスコット・ポール会長は27日、米韓FTAの大筋合意を評価する声明を出した。米CNNの世論調査(22~25日)ではトランプ氏の支持率が42%と11カ月ぶりの水準に持ち直した。

一方の韓国。安徳根(アン・トクグン)ソウル大教授は「自動車、鉄鋼での米国の強い要求を抑えるため、韓国は為替条項をのまざるを得なかったのではないか」と指摘する。28日のソウル外為市場では一時、ドルに対しウォンが小幅上昇した。延世大学の金正●(さんずいに是)(キム・ジョンシク)教授は「為替政策が制約され、輸出に影響しかねない」と懸念している。

Source :

nikkei

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