監督は全盲者、SF映画どうやって制作?人気声優ら協力

Source: asahi

 

生まれつき目の見えない男性が監督を務めた映画が完成した。東京都町田市の会社員、加藤秀幸さん(42)のSFアクション作品「ゴーストヴィジョン」。制作過程を追ったドキュメンタリー作品「ナイトクルージング」とともに5月20日、都内で支援者対象の上映会を開く。

「言い方は悪いですが、けんかを売っている」。加藤さんは「ナイトクルージング」の中で、映画制作の理由をそう説明する。

目が見える人が作った映画を、見えない人が音声ガイドなどを使って鑑賞しても「説明を聞かないと分からないところがある」という。逆に、見えない人が作った映画が見える人にどう受け止められるのか。加藤さんにとって今作は、それを知るための「挑戦」だという。題名の「ゴースト」は「幽霊」ではなく、そうした「壁、バリアーのようなもの」をイメージしているという。

映画は約12分。加藤さんを投影した全盲の主人公と、目が見える仲間の男性とのいわゆる「バディー・ムービー」(2人組を主人公にすえた映画)だ。信頼はしているけれども、見える者と見えない者との間に存在する「狭間(はざま)=ゴースト」を、ストーリーの中で浮かび上がらせる内容となっている。

一方の「ナイトクルージング」では、加藤さんと目の見えるスタッフとの間の「ゴースト」を克服するための取り組みが描かれる。ストーリーを説明する「絵コンテ」の代わりに「サウンドコンテ」を作ったり、登場人物と場所の位置関係を示すために組み立て玩具のブロックを使ったり。

加藤さんは自分のいる場所の位置関係を把握するのに、指を鳴らした反響音を利用する。作品中、人気ゲーム「ファイナル・ファンタジー15」(スクウェア・エニックス)の人工知能(AI)開発を担当した三宅陽一郎さんが登場し、AIの空間認識手法と加藤さんのそれが似ていることを知る様子なども描かれる。

「ゴーストヴィジョン」は、友人の映画監督の佐々木誠さん(42)やプロデューサーの田中みゆきさん(37)らのサポートを受けて作った。佐々木さんは「ナイトクルージング」の監督を務めた。

加藤さんは佐々木さん、田中さんとの信頼関係に触れつつ、「手伝ってくれる人がいれば、映画を全盲でも作れますよ、という証明になったんじゃないかな」と話す。

加藤さんが脚本を書く際にアドバイスを受けたのは、映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」などの脚本で知られる小林弘利さん。声の出演者として、人気声優の山寺宏一さん、ジャッキー・チェンの吹き替え声優として知られる石丸博也さん、DJ・作家のロバート・ハリスさんらが協力した。

上映会の後、作品は海外の映画祭などに出し、日本での劇場公開は来年になる予定。目の見えない人も楽しめたり、目の見える人が見えない人の体験ができたりするような形での上映も検討しているという。

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