新日鉄住金、喜べぬ世界3位

Source: nikkei

 

2017年の世界の鉄鋼メーカーの生産ランキングで新日鉄住金が前年の4位から3位に上昇した。昨年3月に日新製鋼を子会社化したことが寄与した。19年4月に「日本製鉄」に社名変更し名実ともに日本を代表するメーカーとなるが、世界に目を転じると欧州アルセロール・ミタルや中国の宝武鋼鉄集団に大きく引き離されている。日本国内での再編が難しくなる中、どこまで海外事業を伸ばせるかが問われている。
環境エネ・素材

■生産量、首位ミタルの半分
世界鉄鋼協会が29日発表した。新日鉄住金の生産量は6%増の4730万トン。国内鉄鋼4位の日新製鋼は呉製鉄所(広島県)に2基の高炉があり、生産量を押しあげた。新日鉄住金は19年1月に日新製鋼を完全子会社化する方針で、社名を「日鉄日新製鋼」に改める。

ほかの日本勢はJFEスチールが8位、神戸製鋼所が50位で前年と変わらなかった。

首位の欧州アルセロール・ミタルは日本全体の生産量に匹敵する9700万トンの粗鋼を生産。前年より1.6%増えた。前身の会社を含めて01年から首位の座を守っている。ミタルは中国の鉄鋼安値輸出による「鉄冷え」で身動きが取れなくなっていたが、再び積極的なM&A(合併・買収)に動き始めている。

4月にブラジル鉄鋼大手のボトランチン製鉄を買収。イタリア鉄鋼大手イルバについても同国で同業のマルチェガリアなどに入札で競り勝ち、傘下に収める見通しになっている。世界各地の鉄鋼メーカーを次々と傘下に収めることで、圧倒的な地位を盤石にしようとしている。

鉄鋼など素材メーカーはほかの産業と比べて規模の経済が働きやすく、生産規模の大きさが優位に働く。ライバル企業が少なくなるほど価格支配力も高まるため、日本でも2000年代以降再編が進み、新日鉄住金、JFEスチール、神戸製鋼所の3社に集約されてきた。

■国内シェア過半で足かせ
だが、5月に新日鉄住金が日新製鋼の完全子会社化を決めたことで、国内シェアは過半に迫る。これ以上の国内再編は独占禁止法の観点から「かなり難しくなった」(鉄鋼商社幹部)との見方が強まっている。「規模」拡大には海外戦略を加速する以外に選択肢はなくなりつつある。

実は、国内鉄鋼メーカーは海外に自社が主導する基幹設備の高炉を持たない。これまで新日鉄住金、JFEスチールは海外高炉の建設にチャレンジしてきたが、いずれも実現していない。多額の投資が必要で政治的なリスクも高いからだ。

「ここで出て行かないと生き残れなくなる」。新日鉄住金幹部が打ち明けるように、内需が伸び悩む日本の鉄鋼業界では危機感がじわじわと高まっている。新日鉄住金はミタルと組んでインド鉄鋼4位のエッサール・スチールの買収をめざしている。まずは実現できるかがグローバル戦略の試金石となる。

Source :

nikkei

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