起用の決め手は「サツマイモ」? すず役・松本穂香に期待できる三つの理由

Source: cinematoday.jp

 

こうの史代さんのマンガが原作の連続ドラマ「この世界の片隅に」(TBS系、日曜午後9時)が15日にスタートする。コミックスの累計発行部数は130万部を突破し、2016年公開の劇場版アニメはロングヒットを記録。多くのファンを持つ名作を実写化し、人気ドラマ枠「日曜劇場」で放送するということで、注目度も高い今作。中でも、ヒロイン・すずを演じる松本穂香さんにかかる期待は大きい。同局はすず役を選ぶため、約3000人のオーディションを行った。当時のことを振り返り、「『この人がやるすずさんを見ていたい』と視聴者に思ってもらえるかが、お芝居のうまさよりも重要で、松本さんはその点で圧倒的だった」と明かす佐野亜裕美プロデューサー(P)の言葉を通して、松本さんに期待できる三つの理由を紹介する。

 原作マンガは、マンガ誌「漫画アクション」(双葉社)で連載され、09年に「文化庁メディア芸術祭」のマンガ部門優秀賞を受賞した。戦時中、広島・呉に嫁いだ18歳のすずの生活が、戦争の激化によって崩れていく様子が描かれた。

 ドラマの脚本は、NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「ひよっこ」などで知られる岡田惠和さん、演出はTBS系の連続ドラマ「カルテット」「逃げるは恥だが役に立つ」の土井裕泰さん。また、作曲家の久石譲さんが、民放連ドラでは約24年ぶりに音楽を手がける。

醸し出す“おかしみ”とコメディーセンス

 松本さんは1997年2月5日生まれ、大阪府出身の21歳。昨年放送された有村架純さん主演の朝ドラ「ひよっこ」で、ヒロインみね子(有村さん)が上京後に出会う、大きな丸メガネをかけた同期の工員・青天目澄子(なばため・すみこ)を演じ、「ひよっこのメガネっ娘」などと呼ばれ、脚光を浴びた。

 朝ドラの劇中では、みね子ら女子工員が暮らす「乙女寮」で一番の食いしん坊キャラとしても存在感を発揮。日常生活に欠かせない“おかしみ”や“笑い”の部分も担当する一方、ドラブルメーカーの面も持ち、視聴者をハラハラさせた。

 「この世界の片隅に」におけるすずも、周囲をほっこりさせるような“おかしみ”を持つ女性として描かれている。佐野Pは松本さんが本来持っている資質に「笑い」を挙げ、「『ひよっこ』を見ていても笑いの部分を担える子ではあるなと思っていた。オチをやれるというか。私はドラマで一番難しいのはコメディーだと思っているんですが、松本さんには天性のものがあるなと。もちろん岡田さんの脚本との相性もありますが、そこに対する信頼感は(オーディションで)持ちました」と話している。

すずを彷彿とさせる“ひたむきさ”とテンポ 印象的だった「サツマイモの話」…

 佐野Pにとって、オーディション時に松本さんと会った際、特に印象に残っているのが「サツマイモの話」だという。1回目のオーディションで「お芝居ももちろん良かったのですが、『サツマイモが好き』という話を始めて、そのことがすごく印象に残ったんですね。この子は本当にサツマイモが好きなんだなって。何かを狙って、面白がってもらおうとしているわけではなく、彼女なりに真剣に、本当に好きなものの話をしているんだという感じがすごくして。そこがどこか、すずさんという人っぽかったんです」と思い返す。

 すずといえば、絵を描くのに夢中になって、列車の切符を買いそびれたり、海岸線で憲兵に間諜(かんちょう)行為を疑われたり、闇市で物資の高騰ぶりに頭を悩ますうち、遊郭に迷い込んで、一人でパニックに陥ったりと、たびたび“やらかして”、ちょっとしたトラブルになることもあるキャラクターだ。

 佐野Pも「すずさんって簡単に“天然”の一言でかたづけられる女の子ではない。自分の好きなことや『こうしたい』という気持ち、自分のペースに正直に誠実に生きていて、他の人とか少しテンポが違ったりする。そこが松本さんも重なったというか」としみじみと語る。

 オーディションには後日談もあり、佐野Pは「2回目のとき、前に受けていた子が前髪を『ピンで止めてほしい』とお願いされたのを見た松本さんが、自分もピンを探し出そうとして、バッグを倒してしまったことがあったんですね。そのことで心を乱してしまったようで、演技自体は決して良くはなかったんですけど、でも逆に人間らしさを垣間見たというか。“たられば”になりますが、私が2回目から松本さんを見ていたら、そこで落としていたかもしれない。でも『サツマイモの話』をする松本さんを見ていたから、すごく一生懸命さが伝わってきて、そのひたむきさに彼女だったらすずさんを託せると思えたんです」と明かす。

独特な色気とアンバランスさ 放っておけない危うさも?

 改めて松本さんの魅力を聞くと、佐野Pは「オーディションで一番最初に部屋に入ってきたときに思ったことでもあるのですが、なんかすごい色っぽい。独特な色気があって、手足を持て余している、アンバランスな感じが魅力だった」と回答。

 実際に原作マンガの中でも、すずの無意識ゆえのアンバランスな色気、男性が放っておけなくなる危うさを感じさせる描写もある。

 佐野Pも「松本さんを見ているとなんかドキドキするんですよね、どこに落ち着くか分からない、ハラハラするような感じ」と意外な共通項を挙げると、「決して松本さんは“ザ・美形”というタイプではないのかしれませんが、そこのアンバランスさを含めて、とても魅力的で、見た目ではなくて本質みたいなことろで、自分の中のすずさん像と重なったのが大きかった」と語っていた。

 果たして松本さんは、劇中でどのような“すず”を見せてくれるのか、ドラマ「この世界の片隅に」の演技に注目だ。

Source :

mainichi

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