怒りの僧侶、高野山への外国人観光客にナナメ上の対応で話題に

Source: newsweekjapan

 

<外国人旅行者が急激に増えている高野山。外国人観光客からのネガティブなレビューへの、ある僧侶の歯に衣着せぬ反応が話題になっている>

日本仏教の聖地にいる辛口僧侶

高野山といえば、空海が開山した歴史ある場所で日本仏教の聖地と言える。世界遺産にも登録され、国際的に知名度も上がった。そこにある1つのお寺が、英語圏で話題になっている。というのも、そのお寺の宿坊(宿坊とは通常、僧侶や参拝者向けに境内に用意された宿泊施設)がホテルの予約サイトに掲載されているのだが、外国人観光客からのネガティブなレビューへの返信が、歯に衣着せぬ内容でナナメ上を行っているのだ。英紙ガーディアンが報じた。

この宿坊は、和歌山県高野山にある赤松院(せきしょういん)だ。世界的なホテル予約サイト「Booking.com」に宿坊として掲載されている。このサイトでは、実際に宿泊した人が点数をつけたりコメントを投稿したりできるようになっている。

カナダのフリージャーナリスト、メリッサ・マーティンさんは23日、予約サイトに投稿されたレビューとそれに対する辛辣な返答をスクリーンショットにしてツイッターに投稿した。このツイートは30日時点で1万6000回以上リツイートされ、3万6000回以上いいねされている。

「ここは修行の場」、「西洋人だからって特別扱いはしない」

マーティンさんがツイートしたスクリーンショットには、宿泊客からの次のようなコメントが含まれていた。「食事は質素なベジタリアン料理」、「例えば建物の歴史や教団について、それから僧侶としての生活について(中略)などを英語でもう少し説明してくれたらもっとよかったと思う」。

このコメントへの宿泊施設側からの正式な回答として、次のような返信が投稿されていた。「ここは究極的には修行の場だ。当然ながら、食事その他はすべて質素なものになる」。さらに、「西洋人だからという理由だけで特別扱いはしない」、「特別に説明してもらう人は誰もいない。これまでずっとそうだった」、「あなたが日本語や日本の文化を理解すればいいだけだと思うけど、でもそうじゃないんだろ。そんなに僧侶の生活に興味があるなら、頭を剃って自分が僧侶になればいい。以上」というものだった。

またアメリカのエリックという人物が書いたコメント「スタッフがそっけなかった」に対しては、「なぜ我々がフレンドリーにしなければいけないんだ?????君たちはなんのためにここに来ているんだ???宿坊に対してなぜそんな歪んだ考え方を持っているんだ??」と返信されている。

さらに別の人の「夕食と朝食は菜食主義で、これまでまったく食べたことがない味だった。不思議」というコメントには、「そう、日本の精進料理っていうんだよ、教養のないクソ野郎が」と、非常にきつい罵り語の1つ「Fワード」を使って返信が書かれている。

僧侶だって我慢できないことも……

ガーディアンによると、こうした返信コメントは、現在はすべて削除されている。予約サイト側が赤松院に対し、客を侮辱しないように、と注意を促したのが理由のようだ。

ガーディアンは、宿泊施設側の返信コメントを書いたのは赤松院の僧侶であるダニエル・キムラ氏だと説明する。キムラ氏はアメリカ出身で15年前に来日した。

キムラ氏はガーディアンの取材に対し、罵ってしまったことについてはとても後悔しており、今後は表現を抑える、と話している。しかし高野山が世界遺産に登録された2004年以降、欧米からの観光客が急増しており、中には横柄な投稿もあるためフラストレーションが溜まってしまうこともある、と理由を説明した。

そういった人たちは、「日本語を一言もしゃべれないで、すべてがお膳立てしてもらえると思っている。せめて『こんにちは』とか『おはようございます』など、ほんの少しでも知っているべきだろうと思ってしまうんです」とキムラ氏はガーディアンに話す。

中には、「6つ星ホテル」か何かを期待してくる人もいるという。しかしそうした人たちに、僧院は意図的に質素にできており贅沢など期待してはいけない、と伝えようとしているのだという。

しかし「僧侶だって我慢できないときはあります。そのへんは私も努力しないと」とキムラ氏はガーディアンに胸の内を明かしている。

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