袴田事件再審認めず、高裁「DNA鑑定に疑問」

Source: nikkei.com

 

1966年に静岡県清水市(現・静岡市清水区)で一家4人が殺害された「袴田事件」で死刑が確定し、静岡地裁の再審開始決定を受けて釈放された袴田巌はかまだいわお元被告(82)について、東京高裁は11日、再審開始を取り消す決定をした。

 大島隆明裁判長は「地裁が再審開始の根拠としたDNA型鑑定の有用性には深刻な疑問がある」とした。一方、袴田元被告の刑の執行停止と釈放を命じた地裁の決定は取り消さなかったため、元被告が現段階で拘置所に収容されることはない。

 元被告側は、高裁決定を不服として最高裁に特別抗告する。

 元被告は地裁決定を受け、2014年3月に東京拘置所から釈放されていた。今後、最高裁が高裁の判断を認めるなどして高裁決定が確定すれば、元被告は再び収容されることになる。

 確定判決によると、事件から1年2か月後、犯人が犯行時に着ていた5点の衣類が現場近くのみそ工場のタンク内から見つかった。そのうち半袖Tシャツには犯行時にけがをした犯人と被害者のものとみられる血痕があり、判決は、犯人と元被告の血液型が同じB型だったことなどを指摘した。

 元被告側が08年4月に裁判のやり直しを求めた静岡地裁の第2次再審請求審では、弁護側推薦の本田克也・筑波大教授が5点の衣類について血痕のDNA型鑑定を行い、半袖Tシャツの血痕から検出されたDNA型が「元被告と一致しない」とする結果が出された。地裁はこの鑑定結果を根拠に「最重要証拠だった5点の衣類が元被告のものでも犯行時の着衣でもない可能性が十分にある」と判断。再審開始を決定し、裁判のやり直しを命じた。

 この決定に対し、検察側は「本田教授の鑑定は独自の方法で行われており、科学的に信用できない」として東京高裁に即時抗告。検察側推薦の鈴木広一・大阪医科大教授による検証実験が行われ、「本田教授の鑑定方法では適正な鑑定結果が得られない」とする報告書が提出されていた。

 死刑囚の再審請求が認められた例は袴田事件を含めて6件あり、いったん出された再審開始決定が取り消されたのは、1961年に三重県で起きた名張毒ぶどう酒事件に次いで2件目。

Source :

yomiuri

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